唐突に小説を書きます。
静かな公園だ。
曇り空。
昼下がりの公園で、僕と悟はただ時間の過ぎるのを待っていた。
学校には行きたくないし、かと言って誰かに見つかりそうな所には行きたくはない。
この公園は学校から少し離れた丘のてっぺんにある。
ここまで来るのに、とっても急な坂を登らなければいけないので、人があまり近寄らない。
僕達はここでラムネを飲むのが好きだった。ビー玉を中に落とす瞬間、いつも失敗する。
失敗しなかった事がない。
だって、僕らはとっても不器用だから。
そして、だから、いじめられているのだ。
いじめはそれほどひどいものではなかった。
僕はクサオと呼ばれ、悟はカスと呼ばれていた。
事ある毎にキモい、消えろと言われる程度だ。
僕らはそれでも耐えきれずに先生に相談したが、先生はそれがどうしたといった感じだった。冗談を真に受けるなよってね。
だから、授業を抜け出してやった。
逃げる事を先生は許してくれた。そんなに嫌なら学校に来るなと言ってくれたのだ。
どうせ僕達は大人になったら、クラスメイトとはバラバラになるんだから、少しの間こうしていようぜって、悟と二人で過ごしている。
僕は悟が好きだ。
似た者同士だからという理由は超えて、恋愛感情を抱いている。
悟は色黒でかなり細い。まるで黒い綿棒の様だ。
逃げる事を悪い事だと思わない。
戦いたいと思わない。
それが出来たらいいけれど、それでは争いを産むだけだ。
かと言って僕らが何故我慢しないといけないのか。
だから僕らは逃げる。
悟とならどこへでも。
ラムネを飲み干した。
その後、二分くらいしてから、無意識にげっぷが出た。
更にその二分後に、悟も、そっと押し殺したげっぷをした。
僕は安心して泣きそうになった。
ああ、ラムネは炭酸がきついなぁ。
思っただけで、声には出なかった。
きついなんて言葉を使っちゃうと、辛かった事を悟が思い出しちゃうんじゃないかって、なんでそんな風に思ったかは分かんないけど、その時はそう思った。
いじめはする方が悪いに決まってる。
他人を自分よりも劣っていると思うことも、悪いに決まっている。
悪い奴は、生きて失敗して、地獄を見たらいい。
調子乗って事業でも興して、軌道に乗らずに倒産すればいい。
僕がこんなことを一生懸命考えたところで、現実は今で、今はたやすくは変わらない。
時間が必要だ。
だけど、どこまで、いつまで逃げ切れるだろう。卒業するまで毎日こうやって過ごすのかな。少し、気が重い。
こうやって過ごしたら、卒業なんて出来ないよな。
空は今にも泣き出しそうで、僕達は家路を急ぐ事にした。
ラベル:自作小説