2017年05月11日

書かざる者食うべからず2

こないだの続き。書かないといけないようなのだ。少なくとも私の場合は。
では、どうぞ。

その日の夜、僕は不安に押しつぶされそうだった。
胸のあたりがもやもやして、体から気力が搾り取られ続けている感覚がした。

いじめのことについて、頭から離れない。
いじめから、学校から逃げてしまったことに対しての不安もある。
もう戻れないところに来た。そういう考えが僕を押しつぶした。
今戻っても、前よりひどくなるだろう。

ニュースを見ると、自らこの世を去った中学生のことをやっていた。

僕の母親は、明るくたくましく、そして面倒臭がりな人で、僕がこんな目にあっているなんて少しも思っていないだろう。
母が勘がいいところを見たこともない。
僕は、家族には知られたくないと思っていた。
明るい母を、暗い母にしたくない。

誰にも助けてもらえない。
だけど、悟がいることが僕の救いだ。
だから、僕も悟が一人ぼっちになるようなことはしたくない。

ニュースでは大人が助けられなかったのかと言う。
当然だ。
中学生は確かに子供かもしれないけれど、大人の目を盗んで何かをする知恵はもうある。
僕だって、死にたくないわけじゃない。
学校っていう狭い世界で生きていれば、逃げ道はそこしかないんじゃないかって気になってくる。
でも、僕は母に学校通える時期なんてあっという間に終わってしまうんだからと、いつも言われる。
だから、勉強しろって。
僕にとっては、その言葉は救いになっている。

公立の学校は、将来犯罪者になるような人間もひとまとめにされておかれている。
無法地帯に等しいのに、子供だから大丈夫なんて大人の思い込みである。
子供のいわゆる無邪気さが、深刻な残酷さに変わることも大人は知っているのか。
タンポポの花を首ちょんぱと言いながら、むしり取るような子供に、優しさを教えることを怠っていないだろうか。


布団に入っても、なかなか寝付けない。
いざ寝ても、悪夢を見る。
僕の精神状態は、こうやって語っているよりはるかに重い。
考えない。
ができない。

朝、携帯にメールがあった。
悟とどこで待ち合わせるか。
そのメールを見ただけで、僕の心は癒される。

ちゃんと勉強しないと。
そして、誰かに助けてもらわないと。
僕はそう考えた。
今日は隣町の図書館に行くことにした。
一縷の望みを持って。

ひらひらと手を振る悟に応えるように、僕も手を振った。

「なんで、今日は人目に付くところに行くの?」
「いつもの公園だと日に焼けるでしょ、悟がこれ以上日に焼けたら、暗いところで見えなくなるでしょ。」
「ならないよ。でも、見えなくなれればいいのにね。」
「ごめん。変なこと言って。そろそろ、勉強しないとやばいかと思って。」
「そっか。だよね。」

悟はふふっと笑った。
なんて可愛いんだろう。
そして、僕は、なんて嫌なことを言ってしまったんだろうって思った。
地黒の悟がそのことを言われて嫌な気分になってなければいいな。
僕はいつもうっかり口が滑って、嫌われる。
わかってるのに、滑ってしまう。

「悟、気にしないでね。」
「何が?」
「だから、気にしないでってば。」
「わかった。」

裏目裏目で本当に嫌になる。

「言い方、きつかったね。」
「大丈夫だよ。」
「本当にごめんね。」
「大丈夫。」

悟はいつも優しい。






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posted by azeru at 22:35| 宮城 ☀| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

書かざるもの食うべからず

唐突に小説を書きます。

静かな公園だ。
曇り空。
昼下がりの公園で、僕と悟はただ時間の過ぎるのを待っていた。
学校には行きたくないし、かと言って誰かに見つかりそうな所には行きたくはない。
この公園は学校から少し離れた丘のてっぺんにある。
ここまで来るのに、とっても急な坂を登らなければいけないので、人があまり近寄らない。

僕達はここでラムネを飲むのが好きだった。ビー玉を中に落とす瞬間、いつも失敗する。
失敗しなかった事がない。
だって、僕らはとっても不器用だから。

そして、だから、いじめられているのだ。

いじめはそれほどひどいものではなかった。
僕はクサオと呼ばれ、悟はカスと呼ばれていた。
事ある毎にキモい、消えろと言われる程度だ。
僕らはそれでも耐えきれずに先生に相談したが、先生はそれがどうしたといった感じだった。冗談を真に受けるなよってね。

だから、授業を抜け出してやった。

逃げる事を先生は許してくれた。そんなに嫌なら学校に来るなと言ってくれたのだ。

どうせ僕達は大人になったら、クラスメイトとはバラバラになるんだから、少しの間こうしていようぜって、悟と二人で過ごしている。

僕は悟が好きだ。
似た者同士だからという理由は超えて、恋愛感情を抱いている。
悟は色黒でかなり細い。まるで黒い綿棒の様だ。

逃げる事を悪い事だと思わない。
戦いたいと思わない。
それが出来たらいいけれど、それでは争いを産むだけだ。
かと言って僕らが何故我慢しないといけないのか。

だから僕らは逃げる。
悟とならどこへでも。

ラムネを飲み干した。
その後、二分くらいしてから、無意識にげっぷが出た。
更にその二分後に、悟も、そっと押し殺したげっぷをした。

僕は安心して泣きそうになった。
ああ、ラムネは炭酸がきついなぁ。
思っただけで、声には出なかった。
きついなんて言葉を使っちゃうと、辛かった事を悟が思い出しちゃうんじゃないかって、なんでそんな風に思ったかは分かんないけど、その時はそう思った。

いじめはする方が悪いに決まってる。
他人を自分よりも劣っていると思うことも、悪いに決まっている。
悪い奴は、生きて失敗して、地獄を見たらいい。
調子乗って事業でも興して、軌道に乗らずに倒産すればいい。

僕がこんなことを一生懸命考えたところで、現実は今で、今はたやすくは変わらない。
時間が必要だ。

だけど、どこまで、いつまで逃げ切れるだろう。卒業するまで毎日こうやって過ごすのかな。少し、気が重い。
こうやって過ごしたら、卒業なんて出来ないよな。

空は今にも泣き出しそうで、僕達は家路を急ぐ事にした。














ラベル:自作小説
posted by azeru at 18:36| 宮城 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月30日

縛られていると気づく

自分のためだと思っていたら身動きが取れなくなっていた。
自由に動き回ることも出来なくて、私の体には境界があるのにと思った。
触れられていないのに、突き刺さって取れない釣り針みたいなものがこの胸にあり、あの人を見よ、忘れることなかれと刷り込まれていた事に気付く。
それは徐々に侵食していっていたので、自分でも気が付かないくらいに感染していて、末期寸前だった。
不満はあったが、不幸ではなかった。


こういうポエム的なものは自分がいいと思っても、他人に見せると意味がわからなかったり、別な意味に取られたりします。
自己満足でしかないので、見せて褒めてということもおかしいし、見て悩んでいるのかと気遣われることもおかしいのです。
ただ、あるがままというか、そんな感情の一片を一編にしたもの。
他人に見せてもらっても、あー。だし、見てもらってもあー。

理解するのもされるのも本当に難しい世の中だ。
理解を求めるのなら、わかりやすい言葉で伝えるのが一番です。
好きなら好きの2文字でそれでいい。

でも、複雑。そんなに単純なあたしだったら、もう幸せになれてるよーってな。
もっとみんな、幸せになれてるよなーって。
素直になるのは難しいです。
特に一人で素直になるのは難しいです。

私、あなたの事が、うんと好き、え?聞こえない?もう一回言えって?
うんと、うんと、うんこ。

こういう照れ隠しって、可愛らしくないですか?
あ、下品?あらそうお?
私可愛いと思って結構使ってるのに。
なんでしょ。まあいいけど。

この手のパターンは、聞こえてるけどもう一回聞きたいのだから、うんこなんて言ったら引かれるよね!
同じ読みで惹かれるだったらいいけどね、相手の好み次第だけど。

縛られるということについて、もう少し書いてみよう。
生きていると色んなしがらみに縛られるものだ。
親がいて、学校に行かねばならず、親元を離れては、食うために金を稼ぐことに縛られ、結婚したら配偶者や子供に縛られ、世間体や周りの評価に悩み、しがらみに縛られ、定年した辺りに配偶者が死んで、ようやく縛られる事から解放されるが、後は死ぬだけだ。

だから、若い頃に遊んどけってのは本当よね。
若いだけで多少は許されるんだから、なるべく遊ぶべきです。
私は遊んできたので、楽しかったです。
縛りは少なかったけど、それでもそれなりに色々縛ってくるものがありました。

それがほどけては、色んな感情を抱くのです。
ああ、なんて情緒的なのでしょう。

縛るんじゃなくて、結んだりね。
それをほどくの。

するんと解けた様のきっと美しきこと。
リボンで包まれたサムシング。
髪の毛は直にリボンでは結ばないけど、その類が絵的にいいけど、つかいふるされてるかしらね。

いいものは古いも新しいもない。

縛る、縛られる、縛る時、縛れば、縛れ。


posted by azeru at 20:44| 宮城 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月08日

芸術とは何か

芸術とは何かなあ。
始まりは自然にあるもの、存在しているものの写実だったと思う。
それから派生して奏でたり、抽象的になったり、動き出したり。
フィクションの要素が強くなってきた。
そんな時に、浅野忠信のYouTubeを
見て、一人爆笑。
あのキャラだからこそだし、受け取る私がシュール好きだからというのがデカいのだが、
いいなあと素直に思った。

芸術って何かなあ。
今私の目の前に広がるこの景色も美しいよ。
美しいけど、芸術ではないのかなあ。
一体何なんだろうね。
その道の偉い誰かが認めれば一流になれるんだろう。
誰にも認められなくても、芸術家です。私は。
何だかわからん変な物を作っていますが、これは芸術や!って言います。
何となく、自分が芸術って思う物をこしらえるわけです。
時に雑に適当に、時に細かーく細かーく丁寧にします。
その行為も芸術って言います。

遠くから女子らの笑い声がする。
声からすると、アイツらきっと性格は最悪で、でも存在が佇まいがキラキラのうら若き乙女で、今しかないその肌質の造形たるや、まさしく芸術だと思うけど。
その性格の悪そうな存在すらも、表し方によっては、まあ、映画においては、芸術に変換できる代物でござろう。

そう、芸術って爆発だとか、訳のわからん事を言ったおじさまがいたけど、実際爆発なんてしたら、たまったもんじゃないけど、芸術ってもう、爆発しそうな心情を露わにしたものです!って事で、もう、曝け出しの末路で、アレです。
心の露出狂。

ああ、なんと、適当なまとめですこと。
それでいいのだ。
私には何にも掴めていないけど、きっとそんなに、芸術家ではない。
それでも、裏では、そう、裏で、私は芸術家!悟り開いてる!
そんなことを書いてるただの踊る阿呆でござりんす。

もーほんと何書いてるんだかわけわからなくなってきてる。
でも、それでいいのだ。
文字数を沢山沢山、連ねるのだ!

つまり、芸術って、ただの崇高な暇つぶしだと思うの。素敵な理由よね。
命かけて暇をつぶす。
生涯かけて暇つぶす。
暇をつぶしながら、芸術で稼ぐ!

なんかもう、定義つけるとそれだけになっちゃうから、なるべくつけないでおくべきなんだわ。
なんでもありな、どうでもありなことってことで、おわり!

ラベル:芸術 
posted by azeru at 23:31| 宮城 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

何をしたいのかなあ。平和について。

今日ってか昨日。アンネの日記を金スマでやってた。中東での後藤さんの件もあった。あたしは無力感を凄い感じて、何も書くことも伝えることもないなあとおもったし、誰が正しい事を言ってるのかなんて正解は無いのに議論するのを見てるのも疲れるし、少しみんな休むべきなんだと思う。

神様は何も禁止なんかしてない。
川本真琴。
そもそも地球は弱肉強食だし、増えすぎたら駆逐されて行く法則を見つけた時、対象にならなかった。という、事実だけしか与えられない。

アンネの日記があっても、無力な人間達がそれを読んで何を感じようとも、大きな渦に飲み込まれたら、手も足も出ない。
どうにも出来ない。
唐突にやって来る津波の威力を計り知ることができないのと同じ。

うーん。なんていうか。

どんな作品も、最近のニュースに負ける。事実は小説より奇なりなのだ。

セカオワがいいこと歌ってても、世界の終わりに向かう予言みたいに聞こえて不安。

無力だなあ。本当。
アメリカの大統領になる以外に、一個人ではこの世に安寧をもたらせないのではないだろうか。

宗教がいくらいい事を言ったって、日本人は知ろうとしない。
宗教なんてカルトだわ!みたいにすぐなる。そう、お金が絡んでいるから。
お金を儲けようとする団体は悪に見えるものです。会社だと許されるけど、稼ぎ方が悪いよね。
信者からのお布施的なヤツで稼いで、ギブアンドテイクする品物もサービスも無いように見えるし。
どう見ても聞いても、一時期流行った霊感商法とダブるんだもの。
そして、抜けただなんだで揉めるとかいう噂ね。
実際そう言った悪いことしてるところのせいで、悪の組織のイメージになるんだね。
そりゃあまあ、そんなとこには関わらない方が身のためです。もちろんです。

こんな事書いてる私も、どこの宗教が、どんなこと言ってるかなんて、別に興味ない。答えは私の中にもう出来ていて、
私の思想は自然崇拝なので、自然のやる事が神だ。

とにかく平和な世界になる事を願ってはいる。

一個人では無力とは言うものの、団結したら、強いよね。
フランス革命とかさ。
でもそう言う時代でもない。一番でかい団結というのが、色んな思想のある現代では難しいと思う。

何だろう。この日記は。
つまりは平和は難しいって事?
そんな事ないはずだよ。だって、2013年も色んな事を繰り返してきて、人類は何も学んでないの?
と、私は信じたいのです。

早く全世界幸せになれ!

人間にしかなし得ない事だから。
ラベル:平和
posted by azeru at 00:40| 宮城 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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